Rome - day 2

一晩寝たものの、いつもながら約1時間毎に何度も夜中に目が覚めてしまう。
足はやっぱり疲れている。
ホテルで朝食を摂った後、ゆっくり目にホテルを出てヴァチカンに向かう。
サンピエトロ寺院訪問の列はとても長く、数時間かかるだろう、という感じ。
で、ヴァチカン博物館の方を先に訪れることにする。
インフォメーションで尋ねたら、昨日買ったRomaPassはヴァチカンには有効でないとのことで、インフォで並ばなくてもいいチケットを買う。
割高だったがしようがない、と思ったのだが、
実際にゲートの所に行った時には個人の所には人が殆ど並んでいなかったので、
自分でチケットを買った方がよかったな、と思った。

ヴァチカン博物館の中もいろいろ歩き回る所が多いので、
ちょっとゾーッとしながら巡っていた。
でも、シスチナ礼拝堂に来た時にはそんな感情は全て帳消しになった。
ミケランジェロの「最後の審判」に本当に圧倒されてしまった。

(写真撮影は禁止だったので、ネットで拾った写真から…)
最近、涙腺が緩くなっているので、涙の出る出ないは基準にはならないが、
このフレスコ画を眺めていたらボロボロと泣いていた。
恥ずかしいと思ったけど、止められなかった。
何がそんなに自分を動かしたのだろう。
今もハッキリとは分からない。
画そのものはもちろん、それを描いたミケランジェロのことかもしれない。
または、絵を描いたことが少なく自分は彫刻の方がいいな、と思っていたミケランジェロに敢えてフレスコ画を依頼した教会の姿勢かもしれない。

自分は絵は描くのも見るのも本当に苦手だから、絵画について云々出来ない。
ただ感じることはあっていいと思う。
この絵のキリストがあまりにも力強く描かれていたことにビックリしたし、
その2本の腕、手が絵の中央で作り出すムーブメントが何とも自然だが、
しかしながら善と悪を分かつその厳格さはちょっと受容しがたいなぁ、とも思った。
絵の下方で蠢く悪魔達、地獄に落とされる人々の姿は強烈。
漫画的でもある。
万人を救済する、ということは出来ないのかなぁ、と改めて思ったり…。
仏教とはコンセプトが違うんだろうなぁ。
 
いろんな場所からずっと見ていた。
時間を経るにつれ射し込む光も変わるので、絵の印象も刻々と変わっていく。
本当に飽きない。
ずっと見ていたかった。
そんな気分だった。

出てきたら隣のサンピエトロ寺院への列は殆ど無くなっていたので、入った。
上方の窓から斜めに床に射し込む光が本当に荘厳。
きらびやかな感じもあった。
でも、シスチナ礼拝堂程の感動は無かった。
唯一、入って右手にあるイエスの屍を抱える聖母マリアの像(ピエタ)には見とれた。
自分の息子の屍を膝に抱くマリアの思いを考えると…。
「最後の審判」でイエスの横に居るマリアとは少々趣が異なるが、
その穢れの無さ、老いを感じさせることのないマリアの姿形は形容しがたい。
これもミケランジェロなんだよなぁ、と改めて思った。
 
ゆっくりと見学を終え、一旦ホテルに戻る。
シャワーを浴びた後、ホテルの人に教えてもらったトラットリアに向かう。
タコのカルパッチョ、カルボナーラを前菜、プリモで頼む。
食べきれるか分からなかったので、Mezzo(ハーフサイズ)にしてもらう。
セコンドはフィレ肉のバルサミコソース。
タコのカルパッチョ、カルボナーラ、この2つは外れ。
塩がキツい。
暑かったのでシェフも塩気が必要なのかな、とも思ったが、
ワインを数杯飲まないといけない状況。
パスタの湯で加減やベーコンは美味しいのに塩加減だけで全てが台無し…。
セコンドまでに、塩加減を少し少なくして欲しい、と頼もうかと思ったくらい。
でもこのフィレ肉が絶妙だった。
焼き加減を聞かれることが無かったが、ほぼレア。
外は香ばしく(といってもガチガチじゃなく)、中は凄く柔らかく、
ナイフを入れても嫌な肉汁がしみ出すようなことも無く、
断面はまるでマグロの赤身のような感じで、光沢がある。
バルサミコソースも美味しくてペロッと平らげてしまった。
水曜にスイスで食べたマルサラ酒ソースの仔牛肉とは全く違う。
セコンドをしっかり摂って良かった、と思う。
暑さもあり、ワインは白のままであったがそれは許してもらおう。
ワインバーでもあったので、ワインは全て合格点。
デザートの入る余地はなかったので、諦める。
   
ゆっくり腹ごなしの為に歩いてホテルに戻る。
ついでにスペイン広場に寄る。
  
ちょっと身体の疲れはましになった。