BLKC 150回目

道場について着替えていると見知らぬ人が恐る恐る近づいてくる。
「オリヴィエ先生に来てもいいか、と尋ねたのですが、ここでいいんですか?」
初めはフランス語で話しかけられたが、僕よりも下手なフラ語。
うぅん?と思っていると前記の言葉は日本語で言われた。
New York出身のD。今は静岡に住んでいて30年剣道をしていて3段とのこと。
とてもビックリした。
着替えている人に紹介して、道場に。
 
Dのこともあり今日は英語が多い。フラ語と英語の2つで説明しないといけないから、
オリヴィエは倍の時間を取られるが、僕に取っては自分のフラ語理解の確認のいい勉強だった。
素振りなどはいつも通り。
面をつけてからの稽古も通常通り。
篭手面打ちでEDに当たったが、なぜか篭手がきちんと打てない。
「本気で打てや!」とEDが言ってくれるのだが、中途半端。
2本目の面はいい位置で入るのだが…、と思っていたら、オリヴィエの解説があり、
相手の篭手が開けにくかったら中心で竹刀を殺して面を打ってもいい、とのことだったので、
それでもいいのかなぁとも思った。
でも多分しっかりmenaceができていないんだろうな。
分かっているのだが、どうしたら効果的なのかわからん。
続くオリヴィエとの時にも篭手面(petit)。
左足の動きが大きいようで、「左足を動かさないで二段打ちせよ」と言われる。
この動きは「篭手胴」の時にやっているが篭手面ではあまり気にしていなかった。
でも間合いを考えたら一緒なんだよな。
やったら、「そうや!」と言ってくれた。
その他の基本稽古を終え地稽古。  

まずは有段者相手。
CG。強くなったなぁ、と思う。ナショナルチームに入ってから打ちが強くなったし、
気持ちも引かなくなっている。
KFが言ったけど、Bern Cupでは女子の部で優勝するかもしれないな、と思った。
 
ED。5段だからどんどん掛らないといけない、と思って掛っていく。
時々、速いスピードで打込んでくることがあるのはいつものこと。
Provocationをかけて1度胴を打てたけど、あれで良かったのかなぁとも思う。
 
オリヴィエ。2人だけだったけど、結構動いていたので息切れしかかっていた。
でも前回に言われたことを肝に銘じて、待ち剣を避けるようにした。
殆ど捌かれる。面を打つのは見え見えだろうから、返し胴を打たれる。
気を切らずに続けることを考えたけど、中途半端な間合いに不十分な気のままいる時があり、
思いっきり連続で打たれる。
ヘロヘロになってくる。
ちょっとした隙に面を打込むが、残心がなく、「面じゃ!」と言ってどやされる。
もう一度試す。打てたかどうか分からない。ただ本当に息が切れた。
そこで終了。
 
その後は級者との地稽古。
この辺りから左側頭部が凄く痛み出す。割れるように痛い。
面紐がきついのか、と思って少し隙間を作るようにしたりしたが収まらない。
数人目のSLの時に耐えきれなくなって、「ゴメン」と言って下がる。
地稽古の最中に何故か「俺が乱暴な稽古をしてたら、yasuが注意してな」と言ってきていたから、彼の責任じゃない、ということをしっかり言って下がった。
面を外して暫くしてようやく痛みが引き始めるが、完全には収まらず。
SLとの稽古が最後の地稽古だったので、もう少し頑張れば良かったなぁ、と思うがダメだった。
 
稽古後にオリヴィエに「疲れたんか?」と聞かれるが、「多分脱水が原因やと思う」と答える。
「よう考えたら、朝から一滴も水を飲んでなかったんよ。稽古前に気づいてあわてて500ml程飲んだけど、足りんかった、と思う」と。
最近は熱くて、稽古後の道着は汗でボトボトだからなぁ。
明日の稽古は気をつけなくちゃ…。
  
帰りにDを駅まで送っていく。
「こんなに稽古中に説明を受けたのは初めてだった。アメリカでも日本でも説明がないからね。
本当にビックリした」
と言われた。
確かにそうかもしれない。子供の時はいろいろ教えてもらった記憶があるが、
大人になって一度リバ剣した時は、見よう見まねでやらなければならなかった覚えがある。
日本に戻って、どんな稽古になるか心配になってきた。