セミナー in Filzbach 3日目

夜中も痰の絡む咳に苦しめられる。
何度も目が覚める。オリヴィエにも迷惑をかけただろうな。
   
彼は朝7時20分のバスで早々に帰っていった。
僕は朝食を摂り、荷物をまとめチェックアウトしたあと、道場へ。
人数が少し減ったよう。
木刀による基本稽古法を1時間ほど行う。
その後防具をつけ、基本稽古、地稽古、1本勝負を行う。

基本稽古ではやっぱり「面すりあげ面」が苦手だ。
どうしても遅れてしまう。
AarauのHが相手をしてくれていたが、一発も決まらなかったのは分かっただろう。
他の技はまずまず。
稽古中、AarauのTu Thai Minh先生が
「いい打ちをしてんのに、時々右手がズレルんだよなぁ。それはアカンでぇ」
と背後から声をかけてくれる。英語だ。
強面だがホント優しいいい先生。
何度もお会いして話や稽古をしているので、ドイツ語じゃなく英語にしてくれたのだ。
このコメントはこれまでも何度か言われているのだが、なかなか完治しない。
  
地稽古は4,5本やった。
今回はできる限りいろんな技を試すことに終始し、面打ちばかりにならないようにした。
途中、地稽古相手の足の親指の爪が自分の足の親指の腹をサクッと割き、
床が血だらけになるアクシデントがあり、テーピングして続行。
同じ人と1本勝負。負けた方が掛稽古をする方式が取られたが、
4勝1分で、一回のみ合掛稽古するにとどまったのは幸いだった。
風邪の症状が悪化して、息が続かなくなってきており、冷汗もかいていたから。

2時間の稽古後、ナショナルチームがやって来て自由稽古となったが、
もう無理と判断し、リタイヤすることとした。
仲間に先に失礼することを告げ、11時24分発のバスで帰途に着く。
同じバス停から乗った女性がドイツ語で
「剣道の掛け声が聞こえていたわね。このあたりに道場はあるの?」
などと尋ねてくる。英語もフラ語もダメ、ということで、
記憶の片隅にあるドイツ語を駆使して話を続ける。
山を下った辺りで女性は降りていった。
Ziegelbrückeの駅に着き、乗り換えの6分の間に大慌てでチケットを購入し、Zürichへ。
2等車の1両目が何故か指定席になっていて、空席がないなぁと諦めていたが、
2両目からはまったく通常通りの自由席だった。
明るい陽の光の中で見る景色は素晴らしかった。湖と山々が間近に見える。
田舎なのだが、スイスらしい景色で心がホッとする。
Zürichでホットドッグを買う。
おっちゃんに3種類のソーセージの中から「どれがええ?」と聞かれ、
味覚の落ちている状態も考慮してチリパウダーの入った「ピリ辛」のMerguezを選択。
そしてLausanne行きの列車に乗り込む。乗り換えは要らない。
風邪薬のせいか眠くてたまらない。
本を読んだり、眠ったりしながらマッタリと過ごす。
16時頃には帰宅。胴着を洗濯をし、簡単に夕飯を済ませ、眠った。
   
最終日に十分地稽古できなかったものの、目的は一部達成できたし、
まずまずいいセミナーだったと思う。