セミナー in Filzbach 2日目

起床後、7時に食堂に向かう。
Lausanneから参加している仲間と会う。
CP、TP、KG、CG、AC、NP、RP、SFの8名。
オリヴィエと自分を含め10名が参加している訳だ。
NP以外はナショナルチームの方の稽古に出ている
(ナショナルチームメンバーでなくとも、有段者は参加資格あり)。
ただ夕べオリヴィエから聞いたナショナルチームと連盟の稽古の確執の話を思い出し、
ちょっと胸が痛んだ。
その前には若い人の上の先生方への批判的コメントを聞いていたこともあり、
どんな組織でもそれなりの問題は孕んでいるもんなんだな、と思っていた。
  
稽古は8時半開始(ナショナルチームの最初の稽古は6-7時)。
連盟の稽古はオリヴィエが取り仕切る。
しかし全てドイツ語。フラ語は全くなし。
中にイタリア人が3人いて、
彼らがドイツ語が分からないことが分からないことが発覚してから、
彼らに個人的に指導する時に英語が使われているようだったが、
全体にはドイツ語のみの指導だった。
これは辛い。
でもジェスチャーなどからいつも言ってることを指導しているな、と推察する。
ちょっと残念…。
木刀による基本稽古法からスタート。
2本ずつ丁寧に指導し、その度毎に1本目からそこまでの通し稽古を行う。
従って5名入れ替わってようやく最後まで通し稽古できるというものだった。
ナショナルチーム以外とはいえ有段者も多く居たのだが、打ちが雑やな、と思うことが多かった。
自分も人のことを言えた義理ではなく、
不十分な間合いを取ったりしていたこともあったから、反省。
 
その後、基本稽古に。
切り返しや基本打ち、連続面打ち、技の稽古等、いつも道場でやっているメニューだった。
地稽古はなく基本に終始する稽古であった。
11時半になり午前の部は終了。
  
昼からは準備運動をした後、級者と有段者に別れて稽古する。
有段者はオリヴィエ、級者は伊藤先生が担当。
完全にドイツ語。
やっぱり分からんけど、素振りを多くやるということは分かる。
何か人数を数えている。
「1人10回ずつ数えること」と言ったのは分かった。
各人順繰りに10回ずつ数え、その人の正面で伊藤先生が相対峙して素振りする。
一巡して終わりかとホッとしたが、みんな止めない。
エッ、と思い素振りを続ける。
二巡しても止めない。ここでハタと気づく。
何か"Tausend"というような言葉が聞こえていたんだよなぁ。
1000本素振りをするということだったんだ、と気づく。
果たして何人いるんや?
でもこの頃にはかなり辛くなってきていて、周りを見渡す余裕がなかった。
自分の素振りに集中するのみ。
時々手がだるくなって、左片手素振りを交えたりするが振り続ける。
休んでいる人も中にいるのが見えるし、感じる。
一旦休んだら振り始めるのが辛くなるだろう、と思った。
だんだん肩が上がらなくなってくる。これはアカン。素振りにならん。
きちんと肩を回すように、
そして1回1回の素振りで竹刀をバウンドさせず、剣先でしっかり打つことを心がける。
三巡し、四巡目に入った時、周りの雰囲気が変わった。
これが最後なのかな、と思った。
四巡目が終わったものの素振りは続行される。
伊藤先生が何か仰っているのだが、聞こえない。
伊藤先生が40本数えたところで「終了!」となった。
人数は24人いたので、残り40本を先生が数えられたのだった。
1000本素振りは初めてだった。左手の掌中央より少し手首寄りに水泡ができていた。
素振り後は足捌きの稽古などをメインにして、15時に一旦終了。
  
15時5分になって昇級・昇段審査を受ける者以外はナショナルチームとの地稽古になる。
受審者は説明の後、形の稽古と地稽古を行う。
双方とも16時に終了。
伊藤先生に3本目の形の疑問点をお聞きしたところ、
「じゃあ、一緒にやって考えてみましょう」と言われ、居残りで稽古した。
  
審査は16時半から。
登録料をAS先生に支払い、オリヴィエが垂れに番号を書く。
1級審査では最年長なので一番最後。
地稽古は手前の7番の人と1番の人とやるのかと思っていたら、
2グループに分けることになり、7番、5番の人とやることになった。
良かった。1番は小柄な女性だったから…。
2級の審査から開始されたが、
7番の人がもはや面をつけて準備していたので、緊張してるんかな、と思う。
自分の番が来る。まずは切り返し。
そんなに悪くなかったはず。
元立ちも2級審査で失敗した体捌きも今回は失敗なし。
審査では、合面ばかりが目についたので、これでいいのかなぁと思い、
できるだけいろんなことをしようかと思った。
7番との地稽古。
でも自分の番になると緊張しているのが分かる。
攻めてしっかり打とうと心がけるがなかなか上手く行かない。
面も篭手も入っていたが、途中中途半端な面が1回有り、ちょっとリズムが狂った。
でも比較的良かったと思う。
続けて5番。
出端篭手を食らったり面を食らったりする。
気持ちが舞い上がる。
こちらも出端篭手を1本、petit 面を1本。
この面は入ったと思ったけど、自信はなかった。
最後まで自信がないような感じの地稽古になった。
終わった瞬間、落ちたな、と思った。
自分の剣道ができなかったと思った。
  
ガックリしながら初段以上の審査を見ていた。
4段までの審査が終わり、オリヴィエが集計しているのが見える。
胴を外して、念のため形の稽古の準備をする。
オリヴィエがやって来て発表。

2級:80% (4/5)
1級:100% (8/8)
初段:60% (3/5)
2段:0% (0/1)
3段:0% (0/6)
4段:0% (0/1)

通った…。ちょっと唖然としたけど、次は形。
7番の人とする。
伊藤先生が「こっちが打太刀、こっちが仕太刀」と係の人に言っている。
良かった、仕太刀だ。
そう思ったら、係が逆の説明をした…。
伊藤先生も苦笑しているが、公には係の通りになるはず。
周りの反応をちょっとだけ見て、開始した。
打太刀が自分のはずだから、自分がコントロールできるし…。
始まったらもう気は落ち着いた。
何度もやっている形なので大きな失敗もなく終了。
結局2級の2人が形で不合格となった以外は全員合格。
晴れて1級取得となった。
   
ただ、段位、級位に拘らない真っ直ぐな剣道をしていきたいと思う。