数値

昨日の稽古中、後とも、何だか変な感じ。
言葉がしっかり頭に入ってこない。
英語ですら入ってこない。
空腹感があまりに強すぎるのも一因。
  
更衣室でオリヴィエが何かフラ語で言ったのだが、全くフォローできない。
英語に切り替えてくれても全く…。
でも言いなおしてくれた2回目に状況が把握できる。
「yasu、スペインの剣道のセミナーでいい経験をしたようやな」
「Ironicに言ってるやろ、それって」
と切り返すと、笑っていた目が真剣になった。
どうも週末のブリュッセルでの審判講習でスペインの人に会い、自分のことを聞いたようだ。
「スペインでの経験は、F先生がLausanneに来られる直前だったんで、
実は本当にビビってたんよ。杞憂に終わったんだけど…」
そこでオリヴィエの目が本当にマジになった。
   
「yasu、もしお前が満足できなかったり、納得できなかったとしたら、
それはお前にだけでなく、彼らにも問題があるかもしれん。
他のスペインの人もお前と同じような感情を抱いていたようだしな。
8段の先生ってな、どんな相手(剣道人)にもadaptationできて、正しく対応できることが必要だと思う。
そういった点で、8段の先生は人格者でないといかん、そう俺は思う。」
この前オリヴィエと一緒に段位規則を読んだ経験もあり、彼の言っていることは一理ある。
   
自分にとって、スペインでの経験は確かにちょっと辛かった。
リバ剣してまだまだ未熟なのは分かっていたが、
剣道を続けられるかどうか悩んだ。
特に剣道を遅くから再開した自分の居場所はないのかな、と思った。
もう止めようか、とも思った。
今ではあまりそんなに悩まなくなっているものの、思いだすと左胸の下が少しキュッと痛む。