ギブス

何故か分からない。
自分がギブスをしている為ではない。
年末からずっと頭の中で椎名林檎の「ギブス」のフレーズが鳴り続けている。
       


       

あなたはすぐに写真を撮りたがる
あたしは何時も其れを厭がるの
だって写真になっちゃえば あたしが古くなるじゃない
          
あなたはすぐに絶対などと云う
あたしは何時も其れを厭がるの
だって冷めてしまっちゃえば 其れすら嘘になるじゃない
                     
don't U θink? i 罠 B wiθ U
             
此処に居て
ずっと ずっと ずっと
明日のことは判らない
だからぎゅっとしていてね ぎゅっとしていてね Darlin'
               
名言である。
林檎嬢自身は「駄作」と言い放っているらしいが、そうは思わぬ。
無常感を、少女の目を通し、
具体的に、そして端的に表現するのはそうそうできるものではない。
その最初の2フレーズに対して、サビの歌詞は単純で感情的なもの。
あれこれ思索した後で、感情に流されるような部分をチラッと見せる。
このコントラストは計算かな。

でも、何で「ギブス」なんだろう。
今は自分と密着し、支えてくれるギブスのような存在である貴方でも、
やがては切れて、離れて行ってしまう時が来るかもしれない。
あるいは絶対に来る(例えば、死とか…)。
それを知っているからこそ、今、この瞬間を大切にしたい。
そういうことだろうか。
      
そう考えたら余計に切なくなってきた。
いまを生きることに専念しないといけないな。