Cathédrale de Lausanne

午後5時からのパイプオルガンのコンサートに行った。
風が強く、粉雪が横殴りに降ってきたりして、滅法寒い。
表示の気温は-5℃だが、体感温度はそんなものでは済まない。
ひるまず雪道を15分ほど歩き(ちょっと遠回りしたので)Cathédraleに到着。

小さいCathédraleだ。Strasbourgとは比べものにならない。
外観も内部も全然負けてしまっている。
そんなこともありこれまで訪れたことは少ない。
          
教会の後部にあるパイプオルガンが今日の主役。
だから椅子は後ろに向かうように並べ替えられている。
左右に6人掛けの椅子が並ぶだけの小さなスペース。
中央付近に席をとり見上げると、
一段と銀色に光り輝いた管の列が美しい配置をなしているのが見てとれる。
           
演奏されたのはNicolaus BruhnsとJohann Sebastian Bachのもの。
Bachは自分の一番好きな作曲家。
今日はNun komm der Heiden Heiland BWV659-661が演奏される。
以前だったらBWV661が好みだったろう。
動きが早いし高音と中音の重なり具合、そして明瞭な低音。
でも何故か今日はBWV659に心惹かれた。

中音と低音のエッジは立っておらず、輪郭はぼけた感じ。
高音もそんなにキラキラしていない。そんな音色が選択されている。
でも全体が上手く調和して、頑張らなくても身体の中にスーッと入り込んでくるような、
そんな感じがした。
途中、中音が少なくなり高音の動きが活発になるところなんかのメロは当然の如く好きだ。
    
最後にアンコールとしてDaquinのNoël Suisseが演奏された。
モルダウを連想させるメロ。
時節柄の選択だろうが、なかった方がよかったかなぁ。
       
少額のお布施をして外に出る。
粉雪が舞い散る中、雪の坂道を歩きながら自分の心に目を向けた。