スイス大会(1)

朝4時半に目覚ましをかけていたが、その前に起床。でもその後で二度寝してしまう。
次に起きたら5時15分。
前日に弁当(オニギリ)は作ってあったから助かった。
シャワーを浴びる間にゆで卵を作り、ハムサンドとゆで卵で朝食。
防具と荷物を持って道場へ急ぐ。まだ真っ暗。
6時15分集合だったが、案の定遅刻者あり。最後、6時半に来たのがAC。
電車で行ったもの、St. GallenでピックアップするSFを除いて、総勢17名で出発。
僕はEGSが調達しておいてくれた8人乗りのミニバスに乗る。
CP、KG、CG、PL、EGSと僕の6人。
朝が早かったのでちょっと寝てしまう。
1時間強経って、Bernを通過。その時にみんなで真っ赤に燃える朝焼けを見た。
真横にサーッと一線を引いたように赤が燃えている。
これは一生忘れないだろう。
KGが「勝利を祝ってくれる風景」というようなことを言ったが、本当に美しかった。
その後、サービスエリアで休息した後、運転手交代。僕が運転に回る。
ミニバスの運転は初めてで緊張した。EGSは睡眠を取る。
2時間程運転して、Auに到着。カフェテリアでちょっと休憩した後、会場入り。
スイス剣道界は狭いから、見知った顔がだんだん多くなってきている。
           
竹刀チェックを終え、道場毎にウォームアップを始める。
やっぱり足の調子が悪い。左足底がメチャクチャ痛い。
左足外側に体重を載っけて内股になるような感じになってしまう。
変な体重のかかり方になっているので、足全体にも悪影響が出ている。でも仕方ない。自分が悪い。
        
開会式を終え、チーム戦。
第一試合目が自分のチーム。Auのチームと当たる。
欠席者があり、4名で戦う。相手も4名。ただこちらは大将を抜き、相手は中堅を抜いている。
そこで問題が生じる。このまま2試合を不戦勝にするかどうか。
審判の間でももめている。
最終的には最近変わったEKFの規則に則って、同数の場合には全員が対戦することになった。
で、僕は副将と戦うことになった。
CGが先鋒。大人しいけどシッカリと攻めて、まずは1勝をモノにする。
ATが次鋒。相手は背は低いがゴッツイ男。後で2段である事が分かる。
姿勢とかも悪いなと思ったが、彼女を押したりしてかなり強引な剣道をするな、と思っていた。
そうするうちに、相手が転倒。やっぱり、と思う。
その後も両者打てず、引き分ける。

で、自分の番。気負った。自分が勝たねばならない、という重責を感じる。
大将戦では相手が上段使いで、BFも対上段の経験がないから、厳しいと思っていたから。
相手は日本で剣道を習っていたスイスナショナルチームのメンバー。
何をしたのか全然覚えがないくらいあがっていた。
いつもなら声を出して自分に気合いを入れて立ち向かえば、
スッと冷静になるのだが、気持ちが上ずったままだった。
30秒程の間に2本面を取られて負けた。
何もできなかった。自分のできることが何もなかった…。
呆気なく終了。何もできなかった。呆然。
大将戦では相手は上段を使わず、中段で攻めてきた。でもBFは1本負け。
1勝2敗1分。これでチーム戦が終了してしまった。
初日は開会式直後の第1試合目の団体戦だけだったので、開始後15分で一日の仕事が終了。
自分が一番ダメ。みんなに申し訳なかった。悔しかった。誰にも顔を合わせられない、そう思った。
苦しかった。
道場の他のチームの応援をみんなでやったが、心は悔しさで一杯。
仲間が勝ち進むにつれ、その悔しさは募った。
ちなみにLausanneはチーム1が2位、チーム2が3位に入る大健闘。

団体戦の後、初段から4段までの昇段審査が行われた。
全ての段で地稽古2本が第一次審査。
審査基準は各段位によって異なるので、素人の自分が誰が合格するかを見極めるのは難しい。
見ていると傍らにBernのKN先生が来た。
地稽古を見ながら、お互いにコメントを言い合う。
実際に何に気をつけて審査に臨むべきか教えて頂き、非常に勉強になった。
合格率は合格率は
初段 5/5
2段 2/3
3段 1/5
4段 1/3
厳しいかなと思った。
形の審査では全員合格。
うちの道場からは初段、3段、4段の3名の合格者が出て、4名が落ちた。

夕食はみんなでイタ飯屋で祝杯。翌日の個人戦も頑張ろう!と杯を上げる。
でも自分は、今日何もできなかったため、本当に凹んでいた。
恥ずかしくて、師匠ともほとんど口をきけなかった。