Kasahara Cup 1日目(2)

午後からは団体戦の試合がある。
これは国際的な試合で、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、タイ(?)からも来ているが、
フランスが圧倒的に多い。
Lausanneからは4チーム出る。
近くで開催される試合ということで、級者の我々もエントリーさせてもらう。
でも出場者のレベルを見ると2−6段までが最も多いので、レベルが全然違う。
勉強ということで出場した。
僕はLausanne3の副将。
「yasuは副将な。」とCPに言われ、苦言を呈したが、
「中堅はキーでしんどいで。だから2段のRP。」ということで納得。
相手はLyon1。
先鋒CH、次鋒MKFと瞬殺されてしまい、面を慌ててつけることになった。
中堅のRPが粘ったが、相手は垂に「熊」と書いている大男。
動きは遅いがパワーはある。残念ながら1本負け。此処でチームの負けが決まった。
で、僕の番。相手は審判をしていたので、4段以上だな、とは感じていた。
暫くお互いに打ち合っていたが、こちらが出端籠手で1本取った。
Lausanne3で初めての1本。うちの応援からの拍手や歓声が聞こえた。
その後はどうしても入れない。
1本を守って逃げる、ということもできるが、チームの負けも決まっているし、
自分を試す意味もあり、攻めに徹する。
でも本当に打ちこめない。
焦って、少し遠間からの面をトライしたが、逆にすり上げ面で1本。
その後、出端籠手を取られ、負けた。
最後はEGS。お互いに1本が決まらず、引き分け。
チームとしては0‐5で敗北。トーナメントは終了となってしまった。
試合後、アカンかった〜、と思っていたら、
ACがやってきて
「いい出端籠手やったよね。
1本取ったら、そこから戦法を変えたりして、打たれんようにするのも考えないとね。
戦法が単純だったから、そこが問題。」と言ってくれた。
その後も道場仲間に会う度に
「4段相手に1本取ったあの出端籠手は見事やった!」と言われた。
みんな応援に来てくれていた。
最後に、2戦目で敗退してしまったLausanne1で戦っていたオリヴィエと会った時に、
右肩に手を置かれ「良かったぞ、あの1本」、と言われた時にはちょっとウルッとした。
「yasu、お前の剣道は真っすぐで素直な剣道や。
頭を振ったり、騙したり、フェイクがない。
あと欧米人に比べてスピードがある。
子供の時に日本でやっていた身体の記憶があるから、怖がらんと跳び込んでいける。
そういったものがお前の武器やし、魅力や。
しかもこの1年、いやこの数カ月、数週間で今までと全然違う剣道に進化しとる。
これは続けていいことや。でももっと経験は積まなアカンな。」
有難い言葉だった。
Lausanneは2,3,4と初戦敗退。Lausanne1が2戦目で敗退、と残念な結果だった。
オリヴィエの試合も初めて見た。
足の手術をしていたので、やっぱりあまり動けないのかな、とも感じた。
でも綺麗な剣道やったし、後から思えば、彼も頭を振ったりするフェイクはなかった。
身長が高いからその必要がないとも言えるが、心持ちの問題もあるだろう。
結局、St. Etienneが優勝した。やっぱりフランスは強い。
特にSt. Etienneは出端籠手を3連で取ったりして、スピードもあった。

試合後、午後8時までフリー地稽古となった。
広い会場全体で地稽古。スペースがない。
スイスの人にはまた掛れる可能性があるので、フランスチームを選んで相手をお願いした。
後で見たら3〜5段の方々であった。
オリヴィエの言葉もあったので、時々自分のスピードを試すようなこともやってみた。
でも意図するとやっぱりうまくできない。
身体が反射的に動いている方がいいんだろうな、と思う。

クタクタになるが、KFとRBを乗っけて車でLausanneまで戻る。
RBは僕の試合をビデオに収めた、というので今度くれると言う。
楽しみに待っていよう。