五輪書

ようやく「五輪書」を読み終えた。
剣道学SNSの越生梅林さんがいつだったか推薦されていたこと、
St. Mauriceの高校で数学と物理の先生をしているGP
(2歳下だが、彼の立居に尊敬し、「師」と仰ぐ程)の愛読書であることもあり、
今年に入って2回トライしたのだが、挫折していた。
文章が難しく、内容が頭に入ってこなかったのが一番の原因。
でも何故か、3回目をトライしようと思った。
3回目は6月末から。
原文を読みながらも、今回は恥ずかしながら、口語訳を傍らに控えながら読み進めた。
仕事も忙しく、読めるのは昼食の後の極些細な時間。
毎日読んだ。あの薄い本を読むのに2ヶ月。
途中で読んだ他の小説なんてあっという間に読めたのに・・・。

でもおかげでじっくり読めた。
武蔵の剣に対する姿勢、人生観(死生観)といったものにちょっと触れることが出来た。
「五輪書」に付随していた「独行道」も非常に味わい深かった。
剣道にしても人生にしてもまだまだ未熟な自分であり、
彼の考えていたことを理解するまでの道のりは遠い。
それは分かっている。
でも6月末頃から自分の中で何かが変わってきている。
「五輪書」を読んで変化した、というよりも、
変わりつつある自分に「五輪書」がちょっとフィットするようになってきて、
興味深く読めるようになったと思う。

自分が「五輪書」を読破するなんて1年前には考えもしなかったこと。
でも再読したいと思っている自分が今ここに居る。
何度読んでも、その度ごとに違った側面を見せてくれるような気がする。

GPだけでなく自分の愛読書の一つになるだろう。
今週末のセミナーに彼はやってくる。
彼と稽古するのが一つの楽しみだが、「五輪書」についても話をしたいな、と思う。