「告白」

今日は剣道の稽古に行けず。
本当は行く予定であった、昼までは。
昼飯後、別の部屋で仕事をしていたら、蒸し暑さ、部屋の暗さ、睡眠不足などが重なって、気分が悪くなり、眩暈がしてきた。なかなか収まらず30分早く早退。
                                      

稽古に行かず自宅で安静。
横になっていると大丈夫だったので、読みかけの「告白」(湊かなえ 著)を読み切った。
後味が悪いというレビューのコメントが多かったようだけど、
僕はこの後味の悪さが逆にすっきりした。「スッキリ」、これに尽きる。
「告白」は、当初雑誌に掲載され好評を得たという第一章がやはり秀逸。
これだけで充分。あと最終章があれば、あとはサイドストーリーだし。
森口先生の感情を押し殺した第一章の独白と、最終章での独白ではかなり感情の違いが見られる。
人間の怖さが少し垣間見える。
この他、あとがきにあったコメントがなかなか考えさせられた。
                                   

登場人物の独白、という形を取った本書だが、登場人物が全て本当の事を言っているとは思えない。
この辺りは嘘なんじゃないかな、と思わせるところが多々ある、ということ。
                                   

感情は言葉にした時点で異質なものに変貌している。
どんなに素直に表現しても、全く同一のモノにはなりえない。
言葉の正確さをどんなに追求しても無理。
言葉を盲目的に信じてしまう危険性を忘れるな、
言葉で全てが伝えられるとは考えるな、ということだろう。