BLKC 61回目

明日ロンドンに向かう。ロンドン前の最後の稽古。
仕事は若干トラブルに見舞われたものの、優しい同僚のお陰で時間内に終わらせることができ、
落ち着いて道場に向かえた。
人数が少ない。さて、形の稽古をしよう!と思い更衣室を出ようとすると、
真っ黒に日に焼けた6,7歳くらいの男の子が「袴の履き方教えて」と来る。
フラ語のできないおっちゃんに聞いてどないすんねん、と思うが、
皆に助けられて育っている身。聞いてきてくれたことがちょっと嬉しく、一緒に履く練習をする。
後ろ手での紐の結び方が難しそうだったが、その他はしっかりとできそう。
さて完了、と思ったら、あらら、道着の襟が逆。
「これじゃ死人やで」と言って、一から全てやり直し。一緒に道場に向かう。
「木刀と竹刀は?」
「家に置いてきた」
「ほな、道場のを使わんとね」
一緒に探しにいく。竹刀の弦をちょっと手直しし、部位の名前を教えたりする。
もう一人の男の子が来たので、その子に相手になってもらう事になる。
そこで場を外させてもらって、仲間との形の稽古をさせてもらう。
彼が形を知らないので、1,2本目だけ。で、また教えながら稽古する。
NPが隣にいて、木刀の握り方と竹刀の握り方の違いを教えてくれる。
僕も間違っていた。オリヴィエが隣でEGSと形をしていたが、確かにその握り。
目から鱗。有難い。

畳上げをしていると、オリヴィエが
「yasuの今日の目標は?」って聞いてきた。絶句。
出てくる前にSNSに「今日の稽古の目標を車の中で考えよう」と書いてきたばかりだったから。
オリヴィエって、これを見てる?
「まだ充分に考えてない。やる事いっぱいありすぎて」というと
「俺はyasuに真っ直ぐな篭手を教え込むつもりやぞ」と。
「うん、それは月曜に言ってた事やね。それも目標やけど、胴打をもっとしっかりしたいんよ」
と言う。目の前でEGSの目がキラッ。

その後、基本稽古に。
最近は足捌きの稽古時間が長い。
左手だけで竹刀を握り篭手−面を連続で打っていき、その際に切れのいい足捌きをする、
というのがあるが、これが苦手。
EGSが「篭手の時には踏み込まないような感じでやってみ」と言ってくれ、トライ。
でもやっぱり彼のようには続かない。
あと面打ちの踏み込みの稽古の際にいきないオリヴィエに真正面に立たれ、笑ってしまった。失礼。
「腰がちょっと引けとるのよ。歩幅をもう少し大きく取り、腰から前に出せ」と。
また上に跳んでいる形なんやろな、と反省。
その後も基本打ちの稽古が続く。
よく考えたら、今日は全体でも12名(子供ちゃんを含む)。有段者が3人しかいない。
そうっかー、だから基本稽古の時間が長いんやね、と納得。
でも有難い。面打ち、胴打ちの時間をしっかり取ってくれる。
回り稽古だったはずなのだが、胴打ちのところでオリヴィエとKFとの3人グループになってからは何故か動かなくなり、
この3人で胴打ちの稽古。
「狙い過ぎ。だから高く打ったりする。あと手元をもっと柔らかくして、左−右−左胴の連続技をやってみ。
竹刀を振りかぶらず、手元の返しをもっと使って前に押し出す感じで。」やってみると「ちょっとましやな」と。
小手打ちの稽古はなく、面を着けて稽古に。
攻めをつくって基本打ち。何回かやった後、ちょうどEGSとの時に地稽古が始まる。
でも寝不足もありだんだん息が切れている状態に。
数本打たせてもらった後、地稽古ではなく指導に変わる。
胴打ちのタイミング。完全には胴が空いていない状態で胴を狙う狙い方。
1/3程度空きを見つけたらトライ。胴の頻度はちょっと増えるかも。
篭手打ちを始めようか、というところで、1本勝負に。
ちょっと気が抜けたのが自分でも分かり、気後れした。篭手を攻められたが、小手抜き面がきちんと決まる。
EGSが「よっしゃ、よかった!」と。でも気後れしたのはいかんね。
次の人に移るが、何故か向こうの方に走っていかれ、道場の向こうの方で空いているいる人と地稽古されてしまう。
何か自分が悪い事をしたっけ?と悩みながら、呆然としていた。
気を取り直して、子供ちゃんの元立ちになることを決める。
オリヴィエが2人の子供ちゃんの元立ちになっていたので、一人を貰って元立ちに。
2回続けて子供ちゃんの元立ち。
最後に1本勝負をもう1本。攻めている最中でまだタイミングやないのに、打ってこられる。遠間から。
仕方がないので返し技を稽古する感じになる。抜き胴で終了。

オリヴィエと地稽古したかったなぁ。
でもやっぱり指導が一層丁寧になったこと(細かい事でも流さない)、
実践的な事を具体的に指導してくれるようになってきたこと、を明確に感じた。
稽古中でもよく声をかけてくれるようになった。

ロンドン行きの事をEGSに話し、明日からの稽古を休む事を謝る。
「ホンマ? ロンドンで剣道するん? どこで? Kodokan? へぇーっ、面白いな」
「でもyasu、6段の先生とか上の先生に当たる時、どうしようと考えて緊張してガチガチになったらあかんで。
リラックスして、自分の剣道をしたらええんよ。楽しんで来ぃよ。」
と。小心者である事がもうばればれ。でも確かにそう。
単純に、ロンドンでの剣道を楽しんでこようと思う。

オリヴィエには挨拶できなかったので、メールでロンドン行きを言っとこーっと。