病院受診-1

実は金曜頃から変だなぁとは思っていた。
右の耳から顎関節が口の開閉時に痛む。金曜は顎関節を押さえながら食べることで咀嚼できていたが、徐々に痛みがひどくなり、咀嚼時のみならず安静時にもずっと続くようになってきた。
土曜の稽古前には痛みどめを飲んでいたのだが、師匠との地稽古中位から酷く痛むようになり、
冷汗で道着が汗まみれになっていた。その晩は痛みで一睡もできなかった。
しかたがなく、歩いて10分程の州立病院のERを受診。
フランス語と英語のチャンポンで受付を済ませ、看護師を待つ。
受付横に看護師が到着し、問診を取り電子カルテに入力。酸素飽和度、脈拍、体温を測った後、再度受付に。保険の確認とカルテ作成をするため。
スイスには国家の医療保険がない。個人個人が民間の保険会社に加入して自分で保険の負担設定額を決める。保険会社の負担を多くしようとすると掛金が高くなり、その逆もまた然り。でもいずれの場合もある程度までは自己負担になっているのだ。例えば1500スイスフランまでは自己負担でそれを超過する分は保険会社が負担する、というシステム(それ以外にも歯科を含めるのか、病気以外の事故の場合もカバーするのかなど、オプションも多い)。しかも保険料が高い。僕の場合で月に2万円以上払っている計算になる。それでもある一定金額まではまずは自己負担。だからめったやたらと病院に受診しないのかもしれない。あと、普通は一般医(家庭医)を決めておき、必ずその医師を受診。その医師の判断で専門医を受診するかどうかが決められる。今回の場合は日曜の朝であり、特例として州立病院を受診したわけである。
その後1階上のERへ向かう。静か。日本とは比べ物にならないし、アメリカのドラマ、ERとも全く違う。看護師が再度体温と血圧を測った後、担当(当直)の医師と個室に(オフィスのような広い部屋)。問診を再度取り、診察開始。口腔内のチェック、耳のチェックをした後で、もう診断。処方。
「中耳炎のはしりか、何らかのウイルスの感染だと思います。
歯からは来ていないようね。細菌感染ではないと思うので、pain killerで様子をみて下さい。
もし効かなければ、明日ここに電話して歯科を受診してレ線を取ってください」
と。
処方箋をもらい、そのまま病院を後にする。受付で確認すると、医療費の請求書は4,5週後に送られてくるそうだ。日曜に空いている薬局は駅にしかなさそうなのでメトロで薬局に行き、薬をもらって帰った。
でもまだ事は済んでいなかった・・・・。