RBLDOJO 10回目

昨日、今日とバレースクールでの出稽古。
今年から行くようになってかれこれ10回目になる。
ただここ数回、見学者が増加。公演の前で怪我なども多いらしい。
昨日稽古前に一人の女の子が泣いている。稽古には参加したが、防具をつける時に師匠から何か言われて見学に回った。
とても気になっていたので稽古後に師匠に聞く。
「彼女はどうしても剣道がしたかったんや。
でも身体の不調でそれがかなわん。それが悔しくて泣いていたんや。」
「身体の不調があって剣道ができないと思う時は、スッパリと休むことや。無理してやったらあかん。」
「無理したら他のところにも悪い影響が出るからやんな?」
「それもあるけど、考えてみ。身体が不調やったら、自分で自分の身体が十分コントロールできへん。
怪我をするリスクが高くなる、ちゅうことや。
怪我をするのは自分自身。自分の責任や。
でももうちょっと考えてみ。剣道では常に相手がおるやろ。
自分が怪我をさせた、自分の責任や、など悪い印象を持ってしまう。
その悪い印象は自分が与えたことになるんやで。
これはバレーでも同じ。プロやったら公演前にアカン、と思ったら休む。振付師に失礼や!途中で怪我したりしたら。」

練習、稽古を考える時に「根性論」が云々されることも多い。
怪我をしても頑張っていい結果を出した、とかいうことも美談にされやすい。
だから師匠の言葉は当たり前のようで当たり前でない。
相手の事を常に心に留め、「相手のために休む」という発想は目から鱗だった。

実は今日、一人の女の子が自分との地稽古直後に師匠のところに向かい見学に回った。
その時まさに「自分の打突が何か彼女に悪い事をしたんじゃないか」と冷汗が出た。見学中の彼女に視線が何度も行く。
道着を下しレオタードも若干下ろして右肩から胸を何度もマッサージしているのが見て取れた。稽古後、速攻で彼女のところに向かい尋ねた。
「実は数年前に手術して肋骨、筋肉、血管を一部取っているの。
その古傷が時々痛むのよ。
稽古前からおかしかったけど、剣道は必須科目だし、
最近見学者も多いから(サボりもいるから)、
同じように見られたくなくて稽古に参加したの」、
と傷を見せてくれた。
そこで、昨日の師匠の言葉を1つ1つ噛み締めながら彼女に説明した。
「まあ、そうなの、分かったわ。確かに剣道もバレーも自分一人じゃできないものね」
と、顔が本当に明るくなった。
休む事に対して彼女も罪悪感を持っていて、自分を責めてたんやな、と感じた。僕自身も理由が分かってホッとした。