RBLDOJO 9回目

どうしようか迷った。とはいえ、今朝のうちに防具や竹刀は車に積んであったし、いつでも稽古に行ける準備は整っていた。
家にいると叔父のことを考えてしまうので、一人になりたくなくて仕事場に向かった。土曜日なので人はほとんど来ないはずなのだが。仕事はみっちりやった。時間を図った訳ではないのだが、5時10分に仕事が終わった。このタイミングも何かの縁。ほとんど寝ていなかったが、家には戻らず、バレースクールの出稽古に向かった。もう通夜も終わって、おっちゃんも一息ついてるやろ。
少々遅刻したことになり、準備運動などをした後にスタジオに入る。
今日は返しのタイミングや胴打ちの時の足運び・手の位置などの指導が多い。オリヴィエが僕に指導してくれる機会が多く、生徒さんに失礼じゃないのかとちょっと気になった。一番の問題点は胴打の時の手。左手の締めの問題と、その位置。なかなか直らない。手の位置は若干変わってきているが、締めは不十分。
防具をつけてからは一番広いスタジオに移って稽古続行。鍔迫り合い・引き面を何度も稽古。バレースクールの生徒さん相手なので「体当たりではなく、鍔迫り合いもどきにすること」という条件付き。こういったところが本道場との違い。でもどうしても面打ちで勢いがついているので少々体当たりになってしまう。相手に女の子が多いのでちょっとゴメン、と思う。
その後地稽古、一本勝負。間合いを詰めてさっとpetit menを打つことを最近心がけている。これはまずまず。返し技はなかなか決まらない。相手が面をかばいにいくので胴打ちにするなど変化を考えるのがよいのだろう。
オリヴィエが面をつけて入って来る。「yasuから地稽古や」。嬉しい反面、ちょっと怖い。始める前に一つの指導。
「一足一刀の間で剣先を合わせながら、この時に前後左右にしっかり動いて打突のタイミングを探るように」
これってもしかして僕に言ってる?相手の隙を誘ったりしながらタイミングを探るが、それほど足を使っているとは言えない。自覚あり。じゃあ、この地稽古でも使わねば。
地稽古開始。前回に姿勢のことを指摘されていたが、今日は全く念頭から抜けていた。でも攻めて間合いをつめ、面を打ち、2,3本は面を打たせてもらった。でも一度胸ぐらを突かれたことがあり、ああ間合いが遠かったんやな、と認識することがあった。後は出端小手くらい。刷り上げ面や切り落とし面などもトライしたが、不完全で竹刀を避けられてしまう。ただ前回よりボカスカ打たれることは減った。過度な自己防衛をしているわけではなかったのだが。あとちゃんと足は使ったはず。
オリヴィエとの後また生徒さんと地稽古と一本勝負を続ける。背の低い女の子とはやりにくかった。一人の男の子は全く打ってこようとする素振りを見せない。これも策の一つか、と思ってみるも全く攻めない。仕方なく攻める。防御はするが攻めてこない。奇妙。でも最後までそんな感じだった。「打ってこな、勝たれへんで」という言葉を別れ前に彼にかけた。
稽古後オリヴィエに挨拶。
「よぅなっとる。一番変わってきているとこは構えや。中心をしっかり保つようになってる。
そして面、小手の時の左手の使い方。まだ不完全や、でもな。せやけど、ええ方向に向いとる。打突もこの数週間で見違えるように変わったなぁ。Petit menを意図して打つようになっとるやろ。でも篭手ー面の回数が異常に多い。これは間合いがまだおかしいということや。これに気をつけてみ。」
「胴打ちをしようと思うんやけど、できへんねん。確かに空いてないから打てへんのが一つやけど、自分がきちんとした胴を打てないというのが分かっているので、怖くなって打てないと思うんやけど。」
「俺とやる時は多分胴はなかなか打てへんで。基本的にほとんど空かんから。最近の稽古でも分かるように左手の位置の甘さ、左手の締の甘さがあるやろ。それをまず稽古するんや。でもyasuはもう少し面と篭手に集中してみ。胴打ちも基本は同じやさかい。この2つの打突をもう少し体得したら、数週後に胴打ちに集中することができるで。でもホンマ変わったよなぁ。」
有り難い言葉。お世辞と分かっていても嬉しい。モチベーション上がる。人を育てるのにおだてて育てるのと、しかって育てるものの2つがあるが、ここ欧州では前者が圧倒的に多い。頑張っている人に対して否定意見から入った指導をしているのは見たことがない。まずはいいところを見つけて絶対に肯定する。相手が肯定されて満足したところで問題点をポンと取り入れる。日本とは全然違う。日本の指導法は慣れているのだが、しんどい時にはもう辞めよう、という気にもなりがち。欧州式の人材育成法、これからの人の育成に絶対用いることとしよう。