Timing


 
その昔、この曲はよく聴いたし、
自分でもピアノの弾き語りをしていた。
原曲はヴィヴィアン・スーが歌っているなどアイドル的要素が強くて、
人前では歌えずにいた。
弾き語りでは原曲とは違ってテンポを落とし、ジャズっぽくしていたが、
それでも恥ずかしかった。
 
で、昨日偶然これを見つけた。
基本的にギターは苦手。
でもテンポを落として演っているオッサン、奥田民生には好感を持った。
 
改めて聞いてみて、曲自体、なかなか面白いと思う。
テンポを落として歌詞がよく見える。
 
「誰もみんな 君のようならいい
争いまで きっとなくなったりするでしょう」
 
字余りで、舌っ足らずになるが、そこがミソなのかなぁ、と思う。
希望を抱いているんだけど、ダメかもしれない、という不安定な気持ちが顕われる。
 
「まで」という言葉の選択。
6文字必要だから「も」は使えないにしても、
よりよく使われる「さえ」でなく「まで」を選ぶ。
その後、「きっと」という言葉と「なくなったりするでしょう」のコンビネーション。
どうして「たり」なんだろう?
「きっとなくなることでしょう」ではない。
プラスなのか、そうでないのか。
「争い」だけでなく他の「嫌なこと」も消えるかも、と期待しているようにも見える。
あえて「嫌なこと」と記したが、漠然としていて見えていないことなんだろうな、とも思う。
 
多分、「誰もみんな 君のようならいい」というフレーズの方が好まれるだろうと思う。
けど、僕はその後のフレーズの方が引っかかる。
面白い、と思う。