数値化できないもの(2)

級位や段位が全てではない、とは言われること。
これに拘るのは、成果を数値で見たい、という心に捉われている証拠。
自分はまだ修行が足りない。
でも、数字があるだけに厄介だ。
   
しかも、日本とスイス、さらにはスイスとヨーロッパで受審資格が異なるのも心をいらつかせる。
「yasu、日本の初段がそんなに強いと思うか?」
そんな言葉を以前、オリヴィエから言われた。
去年、日本から来られた先生が
「昇段審査の時期に合わせて日本に来て、初段を取ったらいいよ」と、言われた。
彼らの言を総合して判断するなら、どうも基準が違うようだ。
昇級審査でも100%合格とならないのが、ここスイス。
受審資格を考えると、初段に至るまで正式には最低3年かかる。
でも昇級審査は、年に2回スイス国内であるだけだし、しかも6カ月ごとではない。
そう考えると、現実的には初段取得まで4年はかかることになる。
4年。長い…。
   
理不尽やな、と思う。
「yasu、でもな、日本では普段からいい剣道を見る機会に恵まれとるんよ。
だから上達するスピードが自ずと早くなる。それを加味しての段位やな」
いつも何がしかの理由、理論を提示してくれるのがオリヴィエ。
でも残念ながら、今のところ慰めにはなってない。
  
自分が剣道を続けているのは昇級・昇段審査が目的ではない。
それははっきり言える。
でも、心のもやもやは晴れぬまま…。