一角破り

そんなものかな、と薄々感じてはいた。
                                  

「一角破り」を果たした人の見る景観は、各界の別なく一様だという。
剣道の大家と大工の大棟梁が様々語り合って、全ての内容が寸分違わず合致する。
学問でも同じ。
小さい時から頭脳を練り上げた高名な学者が見る景観と、
剣道で心身を練り上げたものから見える景観は、
やり通したものだけに共通した景観であり、少しの差異もない。
それは、人として同じ格を持っているということ。
                                      

この概念を読んだ時、やっぱりそうか、と思った。
自分はまだどの分野でも「一角破り」にまでは全然達していない。
山の五合目にも至っていない。
一生涯に亘って精進すれば、
山の頂からとはいえないまでも、
八合目などから、類似した景観を見ることは可能だろうか。