RBLDOJO 13回目

それは稽古開始2,3分後に起こった。
礼が終わり、皆で輪になってさあ素振りをしようかというまさにその時。
「SUMIMASEN、稽古を中断して。でもチョット彼が来るから待って。」
そう言いながらバレースクールの校長がスタジオの扉を開けて入ってきた。
その後ろからは1人の生徒が小走りに走って来た、垂をつけながら。

その後はその先生の独壇場。怒号が飛ぶ。
「お前らにとって今が大切なんや。何でレッスンに参加せえへんねん。
公演があるのは分かってる。でもそれは言い訳にならん。
怠けとるだけや。
でもその態度は仲間や先生を大切にしてへんということでもあるんやで。」
フランス語でまくしたてていたので全ては分からなかったが、こんな事を言っていた。

近く公演があり、生徒も参加する(全てではなさそう)。
怪我の生徒が多いのは確か。でもレッスンや稽古自体に現れない生徒も増えている。
「彼らは心が弱いからね。」そう師匠は言う。
「竹刀捌きがいくらうまくても心が弱いのは一番アカン。
可哀相に彼らは大局が見えとらんのよ。
公演で一部の生徒が望まれとるけど、そんなンはちっぽけな役。
でも彼らはいっちょ前のダンサーになったつもりになってしまっとる。
今大切なことが分かっとらんのよ。
今、いろんな基本の稽古ー剣道を含めてなーを充分にするのが将来のダンサー生活に一番大切なこと。
そこが分からんねんな、残念なことやけど。
ちゃんと来ている女の子もちゃんとおるんや、○○とか。
彼女とかは精神面での進歩が剣道にも表れてきているやん。
この点では男の方がアカンな。」

剣道とバレーの公演。
日本でいう文武両道より、両立は両方とも身体を使うという点でより厳しいかもしれない。
でも最大の敵は怠け心。

果たして自分はきちんと「怠け心」にうち勝てているんだろうか。
安易な方向に流れているんではないか。
改めて自分を振り返る機会を与えられた瞬間でもあった。