Les Misérables-2

昨晩、耐えきれずに見に行った。
入りは良くなかった。
入っていたのは2割程度。
時間が悪かったのか?
 
さて、危惧は当たった。
ファンティーヌの抜歯のシーンがあったのだ。
目を背けたくなったし、吐くかと思って心配もした。
但し、前歯ではなく、奥歯になっていたので、救われた。
このカメラワークが凄かった。
あぁ、上手く「堕ちていく」フォンティーヌを表現したな、と思った。
 
何カ所も何カ所もいい場面、いい曲があって、泣いた。
"On my own"、この曲は泣くやろな、と思っていたし、
果たしてそうなった。
でもこの曲の歌詞をかえたものが何カ所でも使われていたし、
このミュージカルのmain tuneであるのだと思う。
 
"I dreamed a dream"
これはまた別の大切な曲。
髪を切ってしまった後で歌ったAnne Hathawayは綺麗だったなぁ。
本当はもっと精神を病んで荒んだ状態にした方が良かったのだろうけど…。
泣きの入った声で歌われると、心は持ってかれてしまった。

I dreamed a dream in time gone by
When hope was high
And life worth living.....

で始まり、

I had a dream my life would be
So different from this hell I'm living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed.
 
で終わる。
壮大な絶望感に打ち拉がれたファンティーヌの姿。
ここでまた泣いた。
 
意外に面白かったのはRussel Crowe。
Javertなので、本当はバリトンかバスの方が好みだな、とは思った。
最低の評価を与えている人もいるし、
確かに発語でちょっと気になったところもあったけど、
"The runaway cart"
"The confrontation"
で、彼の嗄れたテナーは味わい深かった。

Hugh Jackman。
うーん、登場時のJean Valjeanは良かったんだが、
その後のふっくらしてしまった後半は…。
声にも伸びがなかったし、あまり…。
 
Bishop of DigneのColm Wilkinson。
彼は元々のLes MisérablesのValjean役だったらしい。
Bishop役は非常に重要。
Valjeanの人生を大きく変える契機になるし、
ColmからHughに燭台が手渡される場面はいろんな意味でシンボリックなもの。

画面では収容所から出たJean Valjeanの旅する光景が美しい。
ToulonからParisへ移動する訳で、その途中にはアルプスがある。
そう、その光景。
この過酷な自然は懐かしいし、美しかったなぁ。
 
Valjeanは自分のイメージの中ではもっと老齢の大きな男だったので、
後半のHughのイメージは若すぎた。
 
でも本当に涙腺を刺激された映画だった。
この前の"Intouchables"でも泣かされた。
よく考えたら、両方とも原作、舞台はフランスなんだよな…。