RBLDOJO 23回目

朝から洗濯を済ませ、仕事場に向かう。
5時の稽古までに2つの仕事を片付ける予定。
でもちょっとギリギリになるかも知れん、と思っている。
12時に仲間から、「今日行くよ!」とのSMS。
12時半にオリヴィエから「今日の稽古は3時から。COに連絡して!」とのSMS。
エーッ。でもよかった!2つめの仕事を始めちゃったらキリがつかなくなるところだった…。
COと仲間に連絡して、別の仕事を片付ける。
2時半に職場を出る。
週初めに時間の変更があったのに、siteでは変更されていなかった、とオリヴィエ。
「今日は形の稽古をすんで!」
でもバレースクールの基本稽古がメイン。
1年生もようやく切り返し、踏み込んでの面打ちが始まる。
僕らが元立ちになり、各々が1,2人を見る。
指導しないといけない点が一杯ある。
こういうことをしながら自分の欠点をも考えるようになる。
そういう意味ではいい稽古だ。
その後地稽古。
MF。こちらがしっかり中心を取っているし、打ちも早い。
なので、応じ技を考えていたが、時間切れ。
TP。上背もあるし、若いし、力もあるし、打ちにくい。
中心はキープしているが、打ち負ける。
出端籠手も一回とられたな。
オリヴィエ。久しぶりの地稽古。
掛稽古にならないように、でも待ち剣にならぬよう、気をつける。
何か面が空いていることが多い。
じゃあ、行こう!ということで攻めて面を打つ。
ちょっと単調になりがちだったが、間合いも考えながら打ちこむ。
途中で「早いぞ。掛稽古になっとるぞ!」と。
ちょっと攻め、溜めの時間を作って再度打ちこむが、「まだ早い!」
最後に充分溜めた後で、面を打たせていただいた。
最後はKM。今日初めての生徒との地稽古。
2,3本打ってみて感じがわかったので、積極的に相手に攻めさせる方法に変更。
胴をトライしたりしていたので、
こちらが大きな面を打って抜き胴を誘ってみたりすることもしてみたが、
こちらの意図は分かっていただけなかったようだ。
最後に形の稽古。MFと3本目まで。
3本目の打突後の動きで息が合わなかったので、何度か練習した。

稽古後のオリヴィエのコメントはいつになく優しかった。
「yasu、いい面やったぞ。
ちょっと単調な打ちやったけど、今日の俺は面がちょっと空き気味やったから、
それを理解して、面を打ちにいくのは正解やった。
で、1ヶ月前の打ち方、攻め方と全然違っとったな。
残心もしっかり取ってるし、最初から最後までイニシアチブをしっかり取っていた。
1ヶ月前はまだドンドン打たされている、という感じやったけど、
『自分のやるべき仕事をする!』というような強い感じになってた。」
なんか気持ち悪いくらい優しいコメントやった。
「やっている時には『打ち遅れんとこう』という気持ちしかなかった」
と言うと、
「稽古中にアドレナリンが出てるから、時間が経つのが早く感じてしまう。
でも実際は思ったほど時間が経ってない。
だから攻め、溜めの時間をもう一呼吸作るのがええ。
試験とかやったら別に構へんけどな」と。

その後、剣道の指導についても話す。
「いろんな生徒がいるやろ。バレースクールでも道場でも。
こうせぇ、と示して、皆がトライする。でも、どうしても出来んヤツがおる。」
「それは例えば、言葉の問題とかがあって?」
「それもあるやろ。でもその場合には見る、ということに集中してれば、何かが得られる。」
(そういや、地稽古の時に師匠が1年生を怒っていたっけ。
『しっかり見取り稽古をするんや』と。)
「100%俺のいう通りに最初からできるヤツは居らん。
でも20%未満の変化しか見られないことが何度も続く場合は、
それは、知能不足と考える。
俺の言っていることを全然捉えられない、ということを意味してるからや。
この知能不足は、殊に、バレーダンサーの場合には死活問題になる。
そいつは切らんとしようがない。
ここはバレースクールや。
自分にないモノを如何にして理解して自分に取り入れるかを学ぶ所や。
その方法論を速やかに習得できないヤツの未来は非常に厳しいというしかない」

厳しい言葉だった。
僕らにとっての剣道は飯の種ではない。
自分が技を習得できようができまいが命には関わらない。
しかしバレースクールの生徒にとっては死活問題。
モーリス・ベジャールが剣道をレッスンに取り入れ、
剣道家を先生に招聘し、生徒を評価させる。
その評価は、剣道家・剣士にとってのものとは異なった位相ではあるが、非常に厳しいものだ。
剣道を開始して2週間しか経っていない1年生にもそのシビアな評価が下される。
オリヴィエの目は笑っていなかった。